メダカは、比較的手が掛からず繁殖・累代を楽しめる魚。小さな親メダカがブリブリと卵を腹にぶら下げている様子をみると、命の営みを身近に感じられることでしょう。
その一方で、生まれてくる稚魚はとっても非力でか弱いので、適切な処置をとってやらないと、なかなか生き残って親メダカまで成長することはできません。
その作業自体は簡単。必要なのは毎日の観察と、こまめなひと手間を怠らないこと。以下に、具体的な処置や作業のコツをご紹介します。
メダカ繁殖の基本!卵を親メダカから隔離
親メダカは、水中の微生物や水面に落ちた虫、ボウフラなど、何でも食べてしまう雑食性があります。そして何と…自らが産んだ卵や孵化した稚魚も食べてしまうことが多いのです!
特に生まれたばかりの稚魚は、お腹に栄養袋をつけており泳ぎも拙いです。浮草などの障害物があれば、親メダカからのアタックをかわし続けて、親メダカの口に入らないサイズ(1cm程度)まで育つものもいますが、多くは親メダカのエサになってしまいます。
そこで、卵の段階から別容器に移してやる作業が必要なわけです。これはもう、メダカ繁殖の基本ですね。
卵隔離の具体的手順
基本的には以下の手順です。
- 親メダカとは別の、卵を孵化させるための容器を用意する。100円ショップなどで売っている3~4リットル程の容量があるタッパーを、僕の場合は好んで使います。
- 水道水を半分以下くらいの水位で注ぎ入れます。水道水に含まれる塩素は生体にとって有害ですが、メダカの卵にとっては問題ありません。むしろ、水カビなどの発生を防ぐ効果が期待できます。このとき、メチレンブルーなどの殺菌消毒液を少量入れる方法もあります。
- 親メダカ容器に投入していた産卵床から、メダカの卵をつまんで孵化容器にポイポイ入れます。産卵床に産み付けられた卵の数が多すぎる場合は、そのまま孵化容器に入れてしまうのでもOKです。
- メダカの卵は250℃日(例えば、水温25℃で約10日間)が目安です。生まれたての稚魚(針子)は見た目で区別がつきませんので、品種がわかるように容器に識別のラベルを貼っておくことを忘れずに!
- タッパーに蓋がついている場合は、密閉せずに軽く乗せる感じで蓋を被せるもの有効です。屋外飼育の場合は、どうしてもゴミや虫が入り込みますし、ボウフラやユスリカの幼虫が沸くと、メダカの稚魚や卵を捕食するからです。
親メダカの数にもよりますが、絶好調の時期に1週間ほど放置した産卵床は、こんな具合になっちゃいます♪こうなると、卵を手で取って別容器に移すより、産卵床ごと移したほうがよいですね~。
メダカの卵はけっこう固くて、手でつまんだくらいではつぶれることはありません。簡単につぶれる卵は無精卵だったり、途中でダメになり白くなっていたりするので、すぐにわかるでしょう。カビが生えて他の卵にも悪影響なので、取り除くようにします。
ただし、上記写真のように卵の育成が進み、もうすぐ孵化というタイミングでは触らないように!卵が柔らかくなっていて、うっかりつまむとつぶれてしまうことがありますのでご注意!
メダカの稚魚を守る大原則が、まず親メダカから隔離するというのは何とも複雑な気分ですね。でも、か弱いメダカを人の手でちょっと守ってやるだけで、簡単にたくさんの稚魚が生まれて育ってゆきます。メダカ飼育を愉しむために、まずはちょっとひと手間を実践することをおススメします。
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