金魚とメダカは、ともに日本のありふれた淡水魚なので、飼育難度は高くない?…確かにそうかもしれません。しかし、一緒の水槽で飼うとなると話は別。難易度が上がる、というより、混泳はお勧めしません。
私も金魚とメダカの混泳(一緒の水槽で飼育すること)というのを、過去にやっておりました。いずれも丈夫な魚だし、その時は60cm幅の大き目な水槽で水草や隠れ家もつくってやり、何となく大丈夫だろうと思ってしばらく様子をみていたのですが…結局うまくいきませんでした。金魚×1匹に対し、メダカ×10匹くらいだったと思いますが、だんだんとメダカの数が減ってゆく結果となりました。
金魚とメダカには共通点が多いのですが、かといって同じ環境が快適とは限らないのですね。飼育するうえで、いったいどこがどのように違うのでしょうか。
金魚とメダカの違い、それがすなわちストレス要因
金魚の祖先はフナということですから、小さいうちは似ていても、大きくなると全く別物ということになります。決定的な違いは、その大きさです。金魚は20cm以上にも育ち、中には寿命が10年を超えるものもいます。一方メダカは大きくなっても4~5cmぐらいまで。長く生きても2~4年程度で、野生では1〜2年といったところでしょう。
体の大きさの違いは、そのまま食べるエサの量に比例します。金魚は大食漢なので、エサをたくさん食べ、その分水を汚します。また、酸素量もメダカより必要とするので、エアレーション装置はつけておきたい。メダカ飼育の場合、エアレーションはなくて済む、あるいは使わないほうがよいと思います。(この辺りは飼育方法・方針によって異なるかと思います)
また、金魚も稚魚のうちはよいのですが、ぐんぐん成長して、あっという間にメダカが口に入るサイズになります。こうなると、実際に金魚がメダカを食べてしまったり、食べられないとしても追い回されてたりして、絶えずメダカをストレス環境下に置くことに。ストレスが健康にとって一番の敵であることは、人間も魚も同じですよ。
もしも、どうしても金魚とメダカを混泳させる場合、金魚の種類をよく検討することです。和金と呼ばれる小赤やコメット、朱文金あたりは、フナに近い体型をしています。これはつまり、泳ぎが得意で素早く動き回れることを意味しますので、メダカとの混泳は避けたほうがよいでしょう。フナの体型から離れた金魚ほど、泳ぎが俊敏ではなくなりますが、一方で飼育難度そのものが上がります。なかなか難しいですよね~。
金魚がメダカに与えるストレス要因まとめ
結論として、金魚とメダカの混泳はうまくいかないのでやめたほうがよい、となります。金魚がメダカに与えるストレス要因をまとめますと…
- 体の大きさ
- 食べるエサの量(=水の汚れ)
- 摂取する酸素量
- 金魚はエアレーション要る、メダカはないほうがよい(あっても弱い水流)
- 金魚がメダカを捕食
- 金魚がメダカを追い回す
ぱっと思いあたるだけでも、上記のようなことが挙げられますので、別々に飼育されることをお勧めいたします。
金魚とメダカの混泳はもとより、同じ魚、たとえば一緒に生まれたメダカの稚魚も、成長スピードに差がついて大きな個体と小さな個体が共存することになります。そんなとき、水草などの障害物があるほうが、魚にとって安心できる環境となるわけですね。
例えば、マツモなどの水草を入れてやることで魚のストレスはぐっと減少されます。光合成による酸素の供給だけでなく、身を隠す隠れ家を提供してやることはとっても大切です。
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